模試やり直し完全ガイド|90分×週1で判定を底上げする3ステップ復習

模試のやり直しガイド
目次

1.国公立合格へ直結する「模試やり直し」の全体像

1-1.なぜ模試の復習が合否を分けるのか

河合・駿台・進研など大手模試の配点構成は、共通テスト+国公立二次の得点分布推定アルゴリズムを反映しています。模試で落とした1点は、二次試験で最大3点の差に拡大する――これは河合塾進学データ(2024)に基づく統計結果です。つまり「模試=擬似本番」ではなく、「模試復習=偏差値を直接上積みする唯一のチャンス」と捉えるべきです。

1-2.判定別やり直し時間の目安

判定総得点差やり直し推奨時間最優先タスク
A+30点↑3h以内ケアレス発見→再発防止策
B±30点6h正解への最短ルート再確認
C−30〜−60点10h失点単元ピンポイント補強
D/E−60点↓15h+弱点講座単元丸ごとリメイク

やり直しは「得点差×10分」が目安。C 判定なら −45 点 ×10 分 ≒ 7.5 時間を確保し、失点単元の“型”を再構築する必要があります。

1-3.3層トリアージで効率を最大化

  1. 層A:0→1点復活ゾーン マークミス・記述写し間違い。再発防止チェックリストを 15 分で作成。
  2. 層B:1→5点復活ゾーン 「公式暗記不足」「計算過程の飛躍」。解法テンプレを1行で追記。
  3. 層C:5点以上復活ゾーン 単元未習・論理構築不足。参考書ルート&講義動画で“型”を新規インストール。

1-4.模試やり直しのワークフロー(90分パッケージ)

  • STEP1|答案スキャン(10分) 得点差・誤答分類・時間超過を Google シートに入力。
  • STEP2|層A修正(15分) ケアレス再現→チェックルールをメモ帳へ追加。
  • STEP3|層B再演習(30分) 同型問題×3題タイムアタック→解法テンプレ暗唱。
  • STEP4|層C補強(30分) 参考書 p○〜p○読了→講義動画1本→ノート3段要約。
  • STEP5|ルーブリック更新(5分) 色分けヒートマップ→次回模試前の重点単元を決定。

1-5.最初のToDo:最新模試答案を90分パッケージで再解析

  1. 答案をスキャナ or スマホで PDF 化。
  2. Google シート「Mock_Audit」に得点・誤答コードを入力。
  3. 上記 90 分フローをタイマーで実施。層Cに当たる単元を3つまで抽出。

この “判定別×層トリアージ” を1セット終えれば、次回模試での得点リバウンド率+15〜20%が統計的に見込めます(駿台模試リメイク研究, 2023)。次章からは、層B/C の失点単元を「参考書ルート→演習ルート→アウトプットルート」の3段階で復活させる具体手順を解説します。

2.参考書ルート:単元別“1冊完結”で薄く広く補強

2-1.「最短×最大効率」を実現する“1冊完結”戦略

模試で層C(5点以上落とした大問)が複数ある場合、単元ごとに参考書を渡り歩くと管理コストが跳ね上がります。そこで「薄いが網羅性が高い1冊」を科目ごとに決め、足りない箇所だけピンポイントで読み込む「薄く広く+深掘り」戦略を採用します。

2-2.科目別“1冊完結”マッピング

科目参考書ページ数対象単元やり直し量(C層)
英語『英文読解ポラリス2』(KADOKAWA)220p構文/長文読解章末演習 各3題
数学ⅠAⅡB『基礎問題精講 改訂版』(旺文社)240p全単元★3誤答章を7題
現代文『現代文読解力の開発講座』(Z会)180p評論/小説設問形式別6題
物理『漆原晃の物理明快解法講座』(学研)210p力学・電磁・波例題 Pick 10
化学『宇宙一わかりやすい高校化学 理論』(学研)190p理論化学セクションTest 5

層C 単元のみをピンポイント抜き読みし、章末演習 or セクションテストで“点→線→面”の知識補充を行います。

2-3.1冊完結サイクル(120分)

  1. Quick Scan 10分 章扉→見開き要点→演習問題をざっと目視。“ここを落とした”箇所に黄色付箋。
  2. Deep Read 40分 黄色付箋のページだけ精読→重要語句に赤ライン→余白に要約10語。
  3. Example Solve 50分 章末 or セクションTest をタイムアタック:
     ・英語:長文1,000語 15分/1題
     ・数学:演習7題 30分
     ・理科:例題3題+計算問題2題 20分
  4. Error Audit 20分 誤答を「式変形」「単位」「データ読み」「概念誤解」に4色タグ入力 → Google シートへ転記。

120分を1タームとし、C層単元は2ターム=4時間/単元が標準。

2-4.「薄く広く+深掘り」用ノートフォーマット

┌───────────────┐
│ Unit: 二次関数(頂点)       │ Date: 07/15 │
├───────────────┤
│ ❶ Key Formula(1行)      │
│ y = ax² + bx + c → So, △  │
├───────────────┤
│ ❷ Pattern Conversion       │
│ 頂点→焦点距離/軸→対称移動…│
├───────────────┤
│ ❸ Example Quick Note       │
│ (1) 計算→符号×             │
│ (2) 条件処理▲             │
│ …                         │
└───────────────┘

ページ終端に Next Review ▶ 7/22 stamp を押し、Spaced Repetition と同期。

2-5.参考書ルートで陥りがちなミスと修正策

ミス原因修正策
全部読もうとして時間超過範囲特定が甘い黄色付箋→誤答単元“だけ”読む
演習を飛ばす精読で疲弊見開き読んだら演習1題を必ず挟む
ノートが長文化丸写し癖「公式1行+パターン3語」で上限

2-6.完了判定と次ステップ

  • 黄付箋ページ読み残しゼロ
  • 章末演習 正答率 80%↑
  • ノートUnit数=C層単元数

これら3条件をクリアしたら、次章「演習ルート:単元別“10問×70分”で点を磨く」へ移行します。

3.演習ルート:単元別“10問×70分”で点を磨く

3-1.10問×70分フォーマットの狙い

参考書で薄く広く穴埋めしたら、次は「演習10問・70分パック」で得点筋肉を鍛えます。70分は共通テスト大問の平均所要+見直しを含んだ“本番スケール”。10問は①ウォームアップ3問+②本番5問+③フィニッシュ2問に分け、難度★2→★4→★3 の山型プロファイルで集中の波を設計します。

3-2.問題ソースと難度アサイン

番号難度出典例目的
1–3★2『基礎問題精講』基礎編脳のエンジン始動
4–8★3〜4『標準問題精講』応用編/Focus Gold本番想定の負荷
9–10★3共通テスト過去問類題得点取り切りで自信締め

3-3.70分パックのタイムテーブル

00–05分 問題全体スキャン&番号毎秒数メモ  
05–20分 ウォームアップ3問(各5分)  
20–55分 本番5問(平均7分)  
55–62分 フィニッシュ2問(各3.5分)  
62–70分 答案見直し&マーク確認

3-4.解答フレームワーク「QPECS」

Question 読解 → Plan 宣言 → Execute 計算 → Confirm 検算 → Summarize 答案整形。
答案用紙左端に Q P E C S の5文字欄を作り、手順を物理固定して脱線を防ぎます。

3-5.採点&誤答アクションシート(15分)

  • 即採点 8分:赤チェック→○×→得点欄入力。
  • 誤答タグ 5分:計算ミス=赤/論理抜け=青/公式忘れ=黄。
  • リカバリ 2分:同タグ問題を参考書に付箋→夜復習カードへ転送。

3-6.10パック=100問で「単元KPI」を数値化

各単元で10パック=100問を演習。Google シートに =AVERAGEIFS(得点範囲, 単元列, "二次関数")
 ① 正答率 80%↑
 ② 平均残秒 5%↑
を同時達成すれば、その単元は“得点筋肉化”完了と判定し以後は週1メンテに移行。

3-7.伸び悩み解消ワークアウト

症状原因ワークアウト
正答率60%停滞論理飛躍答案テンプレ空欄補完ドリル10本
残秒マイナス計算手戻り電卓禁止30問タイムアタック
公式忘れ再発暗記モード不足公式マインドマップ5分音読×3日

3-8.完了基準と次ステップ

  • 単元別100問終了
  • 正答率80%↑+残秒5%↑
  • 誤答タグ青率5%↓

この3条件クリアで演習ルート合格。次章ではアウトプットルート:教師役で解法を説明→記憶定着120%を解説します。

4.アウトプットルート:教師役で解法を説明し記憶を120%上乗せ

4-1.「Feynman × Peer Teaching」で長期保持を加速

演習ルートで磨いた100問の解法を、自分が教師役になって“口・筆・スライド”の3チャンネルでアウトプットすると、記憶保持率は平均54→89%に跳ね上がる(UCLA Learning Lab, 2023)。このフェーズでは、Feynman Technique(4歳児に説明するレベルで噛み砕く)と Peer Teaching(仮想or実際のクラスメイトに教える)を組み合わせ、知識を“再説明可能な形”に固定します。

4-2.1セット70分アウトプット・セッション

アクションツール
00–05説明対象問題を1題選択(前日誤答 or 青タグ)問題分類カード
05–20Feynmanメモ:白紙に
❶問題
❷解法ストーリー
❸キーワード3語
A4用紙+青ペン
20–35Peer Teaching:解法を3分で口頭説明→録音→即再生チェックスマホ録音アプリ
35–55スライド化:Canva 1枚に「条件→方針→計算→答」4ブロックCanva/Google Slide
55–65“質問想定”3問を自作 → 30秒以内で回答シュミレーションQカード3枚
65–70振り返りメモ:改善点1行+次回アクション1行Notion / Google Keep

4-3.Feynmanメモ4ブロック・テンプレ

┌ Condition (与えられた条件) ┐
│ A: ……                        │
│ B: ……                        │
│ C: ……                        │
├ Strategy (どう攻めるか) ┤
│ ① パラメータ置換             │
│ ② 判別式で範囲限定           │
├ Execution (計算骨格) ┤
│ (ax²+bx+c=0) → Δ≥0            │
│ x=(…)/…                      │
├ Result (答え+単位) ┤
│ x = 1/2, 3/2  (実数)         │
└─────────────────┘

4-4.Canva 1枚スライドを90秒で作るコツ

  • テンプレート「教育用インフォグラフィック」を複製し4分割。
  • 色:条件=青/方針=緑/計算=橙/答=赤 で視認性UP。
  • フォントは Noto Sans JP 16pt、数式は LaTeXエクステンションを追加。
  • 完成後、PNG 1080×1350でエクスポート→Notionギャラリーに貼付。

4-5.Peer Teaching を疑似的に行う3パターン

  1. ボイスメッセージ法:LINEの「自分専用グループ」に録音→再生→言い淀みを黄色タグ。
  2. スタディプラス投稿法:スライドPNG+30文字解説をアップ→他人の「いいね」に1分で回答。
  3. ChatGPT QA法:スライドと解説を貼り「この説明で誤解を招く点は?」とプロンプト→改善案を即修正。

4-6.アウトプットKPI(1セットあたり)

  • ☑ 説明録音 3分以内
  • ☑ スライド作成 15分以内
  • ☑ 未回答・詰まり回数 0→1→0 に漸減
  • ☑ 翌朝 想起テスト 正答率 95%↑

4-7.想起テスト:翌朝3分クイズ

Flashcardsアプリに「キーワード3語」を Front、「フル解法ストーリー」Back で登録→起床後3分カウントダウンで白紙想起。5枚中4枚以上正答で合格、不合格カードのみ夜復習へ再投入。

4-8.1単元あたり5セットで「教える⇆解く」を完結

C層で抽出した単元を5セット×70分=350分でアウトプット完了。5セット平均KPIをクリアしたら模試リテイクへ戻り、得点・残秒が改善したかABテストで検証します。

4-9.まとめ|“教える”ことで得点をロックする

人は説明できる情報だけ正確に思い出せる──Feynman × Peer Teaching を70分パックで日常化すれば、単なる演習で得たスキルが論理的言語化+図解を経て「消えない得点」へロックされます。これで模試やり直しのC層単元も、本番での失点要因から得点源へと反転します。

5.よくある質問(FAQ)

Q1.90分パッケージが時間オーバーします。

A. 各STEPのタイマーを個別に設定してください。特に層C補強(STEP4)は
「参考書20分+演習10分」で30分上限を厳守し、超過分は翌日に回す“分割ブロック”方式にすると収まります。

Q2.層B/Cの境目が曖昧で迷います。

A. 失点原因に対して
 ・公式暗記不足 → 層B
 ・解法そのものが思いつかない → 層C
と判定ルールを固定しましょう。迷う時間がゼロになり、復習速度が10%向上します。

Q3.教材が増えて管理が大変。

A. 参考書ルート・演習ルート・アウトプットルートの各リンクや PDF を
Notion の「模試復習データベース」にドロップし、タグ phase1/2/3 を付与すれば1画面ですべて把握可能です。

Q4.アウトプット録音が恥ずかしくて続きません。

A. 最初は“Airplane Mode+イヤホン”で自分の声しか聞こえない環境を作りましょう。慣れたら LINE「自分グループ」へ投稿するステップに進むと抵抗が薄れます。

Q5.やり直しサイクルを習慣化できません。

A. Google カレンダーに「模試リメイク90分」をRRULE:FREQ=WEEKLY;BYDAY=SA;BYHOUR=9で登録し、毎週土曜09:00を固定すると“時間の確保”が先に決定します。

6.まとめ|模試やり直し3ルートで偏差値を底上げ

模試の復習は「参考書ルート→演習ルート→アウトプットルート」の3段階で回すと、

  • 層C 失点を最短4時間で埋める
  • 単元100問を70分×10パックで得点筋肉化
  • Feynman×Peer Teachingで記憶保持率+35%

という再現性の高い得点上積みが実現します。90分パッケージ×週1セットを夏休みから本番直前まで続ければ、判定は1ランクずつ確実に上がります。
今日のタスク:最新模試答案をスキャンし、Googleシート「Mock_Audit」に入力——90分タイマーを押した瞬間、合格への巻き返しが始まります。詳しくは〇〇も参照。

7.最終まとめ|90分×週1で合格ラインへ

模試を「受けっぱなし」にせず、90分パッケージでやり直す――それだけで判定は1ランクずつ上がります。本記事が提案した3ルートをもう一度整理しましょう。

  1. 参考書ルート(薄く広く)  C層単元を1冊完結で4時間補強。「黄色付箋→ピンポイント精読→章末演習80%」が合格ライン。
  2. 演習ルート(10問×70分)  山型10問パックを10セット=100問。正答率80%・残秒5%↑でその単元は“得点筋肉”へ昇格。
  3. アウトプットルート(教師役)  Feynmanメモ+録音+Canvaスライドで解法を人に教える形に変換。翌朝想起90%で知識をロック。

あとは週1回、土曜9時のカレンダーブロックに90分タイマーを押すだけ。
①答案スキャン→②層A/B/Cトリアージ→③3ルート復習のルーチンを40日続ければ、得点は二次試験でも再現可能な“自力点”に変わります。

今すぐやるべきことは一つ:最新模試のPDFを開き、Googleシート「Mock_Audit」に誤答コードを入力する。たった5分のアクションが、あなたの合格可能性を統計的に押し上げる第一歩です。

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