
理系に進学するなら、「将来どんな仕事に就けるか」「ちゃんと就職できる大学なのか」は誰もが気になるポイントですよね。
同じ理系でも、大学や学部によって就職率や進む業界は大きく変わります。たとえば、ある大学は大手メーカーへの就職が多く、別の大学はIT系スタートアップや研究職に強いなど、特色があります。
この記事では、就職率や主な就職先企業、企業からの評価をもとに、就職に強い理系大学をランキング形式で紹介します。
さらに、学部別(工学部・情報系・理学部など)や業界別(メーカー・IT・医療など)の強みも詳しく解説。
自分が将来どんな分野で働きたいのかを考えながら、大学選びの参考にしてください。
理系大学の「就職に強い」とは?
理系大学の「就職に強い」という言葉は、単純に「就職率が高い大学」を指すだけではありません。
理系ではほとんどの学生が就職するため、どの大学も就職率は90〜95%前後と高いのが当たり前です。
重要なのは 「どんな企業に、どんな形で就職しているか」 という“質”の部分です。
たとえば、同じ95%の就職率でも――
- A大学は大手メーカーや研究開発職、官公庁への就職が多い
- B大学は中小企業や非正規雇用の割合が多い
というケースもあります。就職に強い大学とは、単なる数字ではなく、企業から継続的に高く評価され、希望する分野に進める大学を指します。
就職率だけでは見えない“就職力”
理系の多くの大学は就職率が高いので、就職率だけを見ても差はわずかです。
だからこそ次の視点が重要になります:
- 就職先企業の質と規模 トヨタ、ソニー、三菱重工、キーエンス、NTTデータ、製薬大手など、一流企業への就職実績があるかどうか。
- 希望職種に就けているか 技術職・研究職に就きたいのに営業職ばかりでは意味がない。 「どんな職種に何割が就職しているか」を公表している大学は信頼度が高いです。
企業からの評価とリクルートパイプ
企業は採用がうまくいった大学から翌年も継続的に採用します。
たとえば、東京工業大学や名古屋大学は自動車・機械・電機メーカーから毎年多く採用され、
筑波大学や会津大学はIT企業・SIerからの採用が多いといった傾向があります。
こうした実績は大学公式サイトの「進路・就職データ」に載っているので、
大手企業名がズラッと並ぶ大学は「企業とのパイプが太い=就職に強い」と判断できます。
OB・OGネットワークの強さ
理系の就職活動では、研究室や学科のOB・OGが持つ情報が非常に重要です。
- 学内推薦(大学推薦枠)が使える
- インターンシップや面接の情報が共有されやすい
- 研究室単位で企業と長年共同研究している
こうした環境がある大学ほど、内定獲得までのプロセスがスムーズになりやすいです。
キャリア支援や研究環境の充実度
就職に強い大学は、学生を放置せず、キャリア支援を手厚く行っています。
- キャリアセンターの支援:就職ガイダンス、エントリーシート添削、模擬面接
- 企業連携:学内合同説明会、研究室見学、インターン紹介
- 研究環境:産学連携プロジェクトが多い、最新設備で実務に近い経験ができる
たとえば、豊橋技科大は産業界との共同研究プロジェクトが多く、卒業研究の段階で企業と接点を持てるため、就職率・就職先の質ともに高い水準を維持しています。
理系で就職に強い大学ランキングTOP10
理系大学の就職力を測るうえで重要なのは、就職率だけでなく「どんな企業に就職しているか」「どんな職種に就いているか」です。
ここでは、就職率・主要就職先企業・企業からの評価をもとに、国公立と私立の就職に強い大学TOP10を紹介します。
国公立大学編
国公立大学は研究室推薦や学内推薦枠が豊富で、技術系職種への就職に非常に有利です。
特に工学系・情報系学部では毎年就職率97〜99%という高水準を誇り、全国的に見ても安定した人気があります。
順位 | 大学名 | 主な就職先企業 | ポイント |
---|---|---|---|
1位 | 東京科学大学(旧:東京工業大学) | トヨタ、ソニー、三菱重工、キーエンス、NTT | 日本トップの理系総合大学。研究室推薦枠が豊富で、大手メーカー・IT系就職率ともに高い。 |
2位 | 名古屋大学 | デンソー、トヨタ、アイシン、豊田通商 | 中部エリアの自動車産業とのパイプが非常に強い。メーカー志望なら抜群の就職力。 |
3位 | 東北大学 | 日立、IHI、三菱重工、富士通 | 「研究第一主義」で知られ、推薦枠や共同研究も多く、大手製造業への就職率が高い。 |
4位 | 九州大学 | 九州電力、川崎重工、JR九州、三菱電機 | 西日本のインフラ・エネルギー系企業への就職に強く、地元定着率も高い。 |
5位 | 北海道大学 | 北電、北洋銀行、ホクレン、雪印メグミルク | 農学系や水産学系の就職にも強み。公務員や研究職希望者にも人気。 |
6位 | 大阪大学 | パナソニック、シャープ、キーエンス、NTTデータ | 関西企業への就職率が高く、情報・制御系学科が人気。 |
7位 | 東京農工大学 | クボタ、三菱農機、ヤンマー | 農業機械、食品、化学メーカーへの就職に強い。 |
8位 | 横浜国立大学 | 清水建設、大成建設、鹿島建設、日揮 | 建築・土木系学科の就職率が非常に高い。 |
9位 | 豊橋技術科学大学 | トヨタ、ヤマハ、デンソー | 学部から実践的な研究に関わる機会が多く、企業研究所に直結する進路も豊富。 |
10位 | 東京海洋大学 | 商船三井、日本郵船、海上保安庁 | 海洋系・水産系に特化した就職先が多いユニークな大学。 |
国公立理系の強み
国公立理系大学は、大学院進学率が高い点もポイントです。大学院まで進学することで研究室推薦が利用でき、より大手・研究職への就職が狙いやすくなります。
私立大学編
順位 | 大学名 | 主な就職先企業 | ポイント |
---|---|---|---|
1位 | 早稲田大学(理工学術院) | ソニー、NTTデータ、日立製作所、三菱商事 | 大手企業・総合職も多く、理系ながら文理融合的キャリアが可能。 |
2位 | 慶應義塾大学(理工学部) | NRI、アクセンチュア、富士通、外資コンサル | IT・コンサル就職が強く、理系→コンサル転職の王道ルート。 |
3位 | 東京理科大学 | キーエンス、旭化成、デンソー、NTT | 就職率・大学院進学率ともに高水準。「理科大ブランド」で企業評価も◎ |
4位 | 芝浦工業大学 | JR東日本、清水建設、竹中工務店、トヨタ | 建築・インフラ系の就職実績が非常に高く、国家資格取得支援も充実。 |
5位 | 明治大学(理工学部) | パナソニック、日立、JR東海、コマツ | 圏企業への就職率が高く、キャリア支援も強い。 |
6位 | 中央大学(理工学部) | NEC、日立、東京ガス | IT系企業や公務員就職に強み。 |
7位 | 同志社大学(理工学部) | 京セラ、村田製作所、オムロン | 関西の電機・精密機器メーカーとのパイプが強い。 |
8位 | 立命館大学(理工・情報系) | パナソニック、ダイハツ、島津製作所 | 関西圏のメーカー・研究職に強い。 |
9位 | 工学院大学 | 三菱重工、東芝、鹿島建設 | 実務に近い教育が特徴で、就職率も高い。 |
10位 | 東京都市大学 | JFEスチール、日揮、清水建設 | 化学系・建設系の就職率が高い。 |
就職指導が非常に手厚く、ES添削や面接練習、学内企業説明会が豊富。OB訪問をつなげてくれる大学も多く、就活初心者でも安心して取り組めます。
ランキングの算出基準
今回のランキングは、以下の3点を重視して作成しています:
- 就職率(理系学部のみ)
- 就職率が97%以上かどうかを基準に評価。特に大学院まで進学した場合の就職率を重視。
- 主要就職先企業の質と数
- トヨタ、ソニー、日立、NTT、製薬大手、インフラ系など、一流企業への安定した就職実績がある大学を高く評価。
- 企業評価・産学連携
- 学内推薦枠や共同研究の多さ、企業からの定期採用があるかどうかも加味。
業界別に強い理系大学
理系の就職は、学部・研究室だけでなく「大学がどの業界に強いか」でも大きく変わります。
ここでは、主要な4業界(メーカー・IT・医療・建設)に分けて、それぞれの業界に強い大学と特徴を紹介します。
メーカー・自動車業界に強い大学
日本の製造業・自動車産業は理系の主要な就職先です。特に自動車系メーカー(トヨタ、デンソー、アイシン)や大手重工業メーカー(三菱重工、川崎重工)に多くの卒業生を輩出している大学は「メーカー就職率」が高い傾向があります。
- 名古屋大学
- トヨタ系企業への就職が圧倒的に多く、工学部機械系の就職率はほぼ100%近い。
- 京都大学・大阪大学
- 関西の大手メーカー(三菱電機、村田製作所、パナソニック)との共同研究も多く、研究室推薦が充実。
- 東京工業大学(東京科学大学)
- ソニー・日立・三菱重工など大手製造業への就職が安定。就職先の約半分がメーカー系。
- 豊橋技術科学大学
- 地域企業との共同研究が盛んで、トヨタ・アイシン・ヤマハなどへ毎年多数就職。
IT・情報系企業に強い大学
近年、SIerやソフトウェア開発、データサイエンス分野の求人が増え、IT就職率の高い大学が注目されています。
- 筑波大学・電気通信大学
- NTTデータ、NEC、富士通など情報通信系企業への就職が多い。
- 会津大学
- 国内でも珍しいコンピュータ理工学専門大学。ゲーム業界やスタートアップへの就職実績も豊富。
- 東京工業大学・東京理科大学
- 大手ITコンサル、外資系コンサル(アクセンチュア、NRI)への就職実績が高い。
- 慶應義塾大学(理工)
- 文理融合的な教育でITコンサルやデータサイエンス分野への進出が多い。
建設・インフラ業界に強い大学
土木・建築系の学科を持つ大学は、ゼネコン・インフラ企業への就職に強い傾向があります。
- 横浜国立大学 建築・都市科学系
- 清水建設、大成建設、日揮などへの就職率が非常に高い。
- 芝浦工業大学 建築学部
- 首都圏ゼネコン・設計事務所への就職実績が豊富。
- 東京大学・京都大学 工学部土木系 → 国土交通省、都市インフラ系コンサルへの就職が多い。
- 北海道大学 農学部・工学部
- 北海道電力、JR北海道など地元インフラ企業への就職が安定。
就職に強い大学を選ぶポイント
就職率やランキングだけを見て大学を決めるのではなく、実際にその大学がどれだけ就職支援に力を入れているかを確認することが大切です。
ここでは、大学選びの際に必ずチェックしておきたい3つのポイントを紹介します。
キャリアセンターの充実度
大学のキャリアセンター(就職課)の支援内容は大学ごとに大きく差があります。
就職に強い大学ほど、以下のようなサポートが充実しています。
- エントリーシート添削・模擬面接
- 学生一人ひとりの志望業界に合わせた具体的なフィードバックが受けられる。
- 学内企業説明会・合同就職セミナー
- 有名企業が大学構内に来てくれるため、交通費なしで説明会参加が可能。
- 就職データの公開
- 学部・学科ごとの就職率、就職先企業を毎年公表。自分の学科の進路実績が確認できる。
インターンシップ・企業連携
インターンシップの紹介や産学連携の機会が多い大学は、就職活動がスムーズに進みやすいです。
- 長期インターンや研究室インターンがある大学
- 例:東京工業大学では企業と共同研究を行い、そのまま推薦採用につながるケースもあります。
- 企業プロジェクト型授業
- 芝浦工業大学や豊橋技科大では、企業が課題を出し、学生がチームで解決する授業が実施されている。
- 学外インターン情報の紹介数
- 紹介数が多いほど、学生は早期から業界を知り、ミスマッチを防げる。
OB・OGネットワークの活用法
就職活動では「先輩から直接話を聞けるか」が大きなアドバンテージになります。
- OB・OG訪問制度が整っている大学
- 先輩の所属企業・業種・卒業学部を検索できるデータベースがある大学は情報収集がしやすい。
- 研究室単位のつながり
- 理系では研究室ごとに就職先が決まる傾向があるため、研究室選びがキャリア選択に直結する。
- 学内イベントでの交流会
- OB・OGが学内に来て講演するイベントが多い大学は、直接質問できるチャンスが多い。
この3つのポイントを意識すると、「就職に強い大学かどうか」を表面的な数字ではなく実際のサポート体制から判断できます。
また、オープンキャンパスや大学説明会に参加してキャリア支援担当者に直接質問するのもおすすめです。
まとめ|将来を見据えて大学を選ぼう
理系大学を選ぶときは、「偏差値」や「キャンパスの雰囲気」だけでなく、将来どんな業界・職種に進みたいかを考えて選ぶことがとても重要です。
- 学部と業界のマッチングを意識する
- 機械系ならメーカー、情報系ならIT・通信、建築系ならゼネコンや設計事務所といったように、学部の専門性と業界が直結するケースが多いのが理系の特徴です。 例えば「自動車開発に携わりたい」と思うなら、名古屋大学や豊橋技科大の機械系学科は就職実績が豊富ですし、「ITコンサルに行きたい」なら慶應・筑波・会津大学など情報系に強い大学が候補になります。
- 就職データと大学の特色を両方チェックする
- 大学公式サイトに掲載されている就職率や主な就職先企業を必ず確認しましょう。 「大手メーカーへの就職率が高い」「研究職に進む学生が多い」「大学院進学率が高い」など、大学ごとに強みは異なります。 また、キャリアセンターや研究室のサポート体制、学内企業説明会の数なども比較ポイントになります。
最後に
就職に強い大学は、入学後の努力次第で将来の選択肢を大きく広げてくれます。
偏差値やブランドだけにとらわれず、**「自分がどんなエンジニア・研究者・社会人になりたいか」**を考えて大学を選ぶと、入学後のモチベーションも高まりやすいです。
大学選びは将来を左右する大きな決断。この記事で紹介したランキングや業界別の特徴、選び方のポイントを参考に、じっくり比較検討してみてください。
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