国公立大学2次試験対策の完全ガイド:合格を勝ち取るための戦略と学習法

試験を受ける女性
目次

国公立二次試験の重要性

国公立大学の二次試験は、多くの大学で採用されている非常に重要な試験になります。

共通テストでは広範囲の基礎力が求められますが、2次試験では大学や学部ごとに異なる出題傾向や難易度があり、記述式の問題が中心となります。

国公立大学に合格するためにも、一次試験(共通テスト)のみの対策ではなく、二次試験の対策もこの記事を通してしっかりと準備しときましょう。

国公立大学のニ次試験の特徴とは?

試験科目が多く難易度が高い

共通テストほどではないのですが、多くの大学で文系・理系ともに3〜5科目が課されます。(大学によって科目数は異なります。)
私立大学は基本的に3科目受験なので、やはり大変だなといった印象です。

ただ、下の表の横浜国立大学のように、1科目や2科目で受験できる大学もあるので、自分の行きたい大学は早い段階から調べて対策をしておきましょう。

文系学部の科目数(二次試験)

大学・学部名科目数
神戸大学文学部 / 人文学科3教科3科目
<必須>国語・数学・外国語
筑波大学人文化学群 / 人文学類3教科3科目
<必須>国語・外国語
<選択>地歴・公民・数学
横浜国立大学経営学部 / 経営学科1教科1科目
<選択>数学・外国語

理系学部の科目数(二次試験)

大学・学部名科目数
千葉大学理学部 / 数学・情報数理学科3教科3科目
<必須>数学・理科・外国語
名古屋大学工学部 / 化学生命工学科3教科4科目
<必須>数学・理科(2)・外国語
東北大学薬学部3教科4科目
<必須>数学・理科(2)・外国語

また、二次試験の問題は難易度が高いのも特徴です。
共通テストとは違い、深い単元理解や応用力が問われるので、共通テストとは異なる対策が必要です。(二次試験は、記述式問題や論述問題が多いです。)

共通テストと配点が全く違う

これも大学によりますが、1科目あたりの配点が共通テストと大きく違うこともあります。
これも、受験勉強をする上で、どこに比重を置けばいいのか重要になるので、事前にチェックしておきましょう。

今回は、先ほど挙げた大学を例に、共通テストと二次試験の配点の違いについてまとめてみます。

大学名共通テストの配点二次試験の配点
東北大学薬学部950点満点(6教科8科目)2350点満点(3教科)
千葉大学理学部 / 数学・情報数理学科475点満点(6教科8科目)900点満点(3教科)
神戸大学文学部 / 人文学科450点満点(6~7教科8科目)350点満点(3教科)

このように共通テストから2倍や3倍も点数が違う大学もあれば、神戸大学のように配点が低い大学もあるといった形です。

共通テストと二次試験の総合点で評価される

足切りなどで、そもそも二次試験が受験できない場合もありますが、基本的には2つの合計点数で合否が出ます。
私立大学では1つの試験で決まるので、これも大きな違いだと思います。

「足切り」って何?

「足切り」は、志願者数が募集人員に対してある一定以上多くなったときに、大学入試センターの成績によって(1段階目の)選抜を行い、その合格者のみ2次試験が受けられるという制度です。

なので、配点に合わせた対策が必要となります。
ただ、足切りのように、共通テストの点数で落とされてしまうこともあるので、二次試験の方が配点が大きい大学であれ油断しないようにしましょう。

文系:国公立大学の二次試験対策(科目別)

国語

現代文対策

読解力を強化する

現代文では、文章の要旨や筆者の主張を正確に把握し、論理的に答える力が求められます。日常的に文章を読む際、内容を要約する練習をすることで、読解力を高めることができます。

論述力の向上

記述問題では、文章の論理展開を意識して書くことが重要です。自分の考えを明確に表現するため、模範解答を参考にしながら、論述問題の解答練習を繰り返しましょう。

古文・漢文対策

文法・語彙の徹底

古文・漢文では、文法や句法の知識が必須です。特に助動詞の活用や敬語の用法、漢文の句形を確実に覚えましょう。基本的な語彙力をつけることで、正確に文章を読めるようになります。

過去問演習

古文・漢文の文章を何度も読み、実際の試験形式に慣れることが重要です。問題を解いた後は、間違えた部分をしっかり復習し、同じミスを繰り返さないようにしましょう。

数学

基礎を確実に固める

文系数学では、数学Ⅰ・A、Ⅱ・Bが試験範囲となります。公式や定理をしっかり覚え、基本問題を確実に解けるようにしましょう。

記述問題の練習

文系でも、証明問題や応用問題が出題されることがあります。自分で解答のプロセスを論理的に説明できるよう、記述式の練習を行いましょう。

過去問演習

志望校の過去問を解くことで、出題傾向や問題の難易度に慣れておくことが大切です。特に、時間配分に注意しながら、解答する順序を考えましょう。

英語

長文読解の強化

英語では、長文読解が重要なポイントです。速読力と内容理解を向上させるため、毎日長文を読む習慣をつけましょう。過去問を使い、設問ごとの解答のポイントを掴む練習を繰り返しましょう。

英作文の対策

二次試験では、英作文が出題されることが多いです。日常的に英語で日記やエッセイを書くなど、表現力を高める練習を行い、論理的で明確な英語の文章を書く力を養います。

文法と語彙の確認

共通テストよりも難易度の高い文法問題や語彙が出題されることもあるため、基礎文法をしっかりと復習し、幅広い語彙力を身に付けることが重要です。

社会(日本史・世界史・地理・倫理・政経)

知識を整理する

社会科目では、膨大な知識を体系的に整理することが大切です。特に歴史や地理では、出来事の流れや因果関係を理解し、時代ごとの重要な出来事を把握しましょう。

論述対策

多くの国公立大学では、社会科目で論述問題が出題されます。論理的に説明できるよう、簡潔な文章構成を意識して練習を積みましょう。過去問を活用し、実際の問題形式に慣れることが大切です。

時事問題への対応

特に倫理・政経では、最新の政治や経済に関する時事問題が出題されることがあるため、日常的にニュースをチェックしておくと良いでしょう。

理系:国公立大学の二次試験対策(科目別)

数学

数学Ⅲの徹底対策

理系では、数学Ⅲの範囲が非常に重要です。微分積分やベクトルの分野は、二次試験で頻出するため、理解を深める必要があります。公式を暗記するだけでなく、その背後にある原理を理解して応用できるようにしましょう。

応用問題に慣れる

理系の数学では、基礎的な問題よりも応用的な問題が多く出題されます。難易度の高い問題を解く練習を繰り返し、試験本番でも冷静に取り組めるよう準備しておきましょう。

過去問の徹底分析

志望校の過去問を解き、どの分野がよく出題されるかを分析します。また、時間配分を考えながら問題を解くことで、試験本番でもスムーズに対応できるようにします。

理科(物理・化学・生物)

物理

公式の理解と応用

物理では、公式を暗記するだけでなく、実際の物理現象にどう適用するかが問われます。問題集や過去問を使って、公式の応用力を養いましょう。

計算ミスを減らす

物理では計算が重要な要素を占めるため、計算ミスを防ぐための練習が欠かせません。繰り返し演習を行い、計算力を高めましょう。

化学

基本的な化学反応式の暗記

化学では反応式や化学の基本概念をしっかり理解し、正確に覚えることが大切です。酸化還元反応や平衡の問題を重点的に練習しましょう。

計算問題の演習

化学でも計算問題が多く出題されるため、モル計算や濃度計算などを速く正確に解けるように練習しましょう。

生物

論述問題の対策

生物では、実験に基づく論述問題が多く出題されます。単に暗記するだけではなく、自分で説明できるようにすることが大切です。

グラフやデータ解析の練習

生物の問題では、データやグラフを読み取る力が求められます。実験結果をもとに考察を加える問題に慣れておきましょう。

英語

長文読解の強化

理系でも長文読解は重要です。特に、科学や技術に関連するテーマの文章が出題されることがあるため、専門用語に慣れることも大切です。日常的に英文の科学記事などを読む習慣をつけましょう。

英作文の対策

理系でも英作文が求められることがあります。明確で簡潔な文章を心がけ、論理的に自分の意見を述べる練習を積みましょう。

二次試験で高得点を取るための戦略

過去問を徹底的に研究する

二次試験では、志望校ごとの過去問を解いて出題傾向を把握することが大切です。
「どの分野から出題されるのか」「どの程度の記述力を求められているのか」など特徴を理解して、対策を立てましょう。

過去問から戦略を立てるときは、下記の事項に特に注目して分析するようにしましょう。

過去問で分析すべきところ

  • 出題傾向の把握
    • 科目ごとの出題範囲
    • 問題形式の確認
    • 難易度の変動
  • 配点の把握と得点源の特定
    • 配点が高い分野を見つける
    • 得点しやすい部分を特定
  • 時間配分の最適化
    • 各分野の時間配分を
    • 時間内に解き切る練習
  • 解答の書き方や論述力の強化
    • 記述式や論述式の採点基準を理解する
    • 論述問題の解答の流れを把握
  • 間違えやすい問題の分析
    • 自分が間違えた問題を分析する
  • 直近3~5年分を中心に分析
    • 最新の出題傾向を分析しましょう。

時間配分を意識する

二次試験は時間制限が厳しいため、問題を解く順序やペース配分を意識しましょう。
過去問を使った模擬試験形式での練習を繰り返し、時間内に全ての問題に取り組む練習を行います。

オススメの時間配分練習方法
STEP
制限時間を把握して配分する

制限時間はテスト全体で○○分と決まっていると思います。
なので、その全体の時間を大問ごとに配分しましょう。
初めは、難しいと思うので、なんとなくで配分して大丈夫です。

STEP
実際にその配分で解いてみる

大問ごとの解く時間が決まれば、それを元に解いてみましょう。
※解き終わってから反省会をしたいので、大問ごとの時間をメモしておいてください。

STEP
解き終わったら全体を振り返る

解き終わったら、大問ごとに「目標時間」と「実際の時間」を比較しましょう。
見比べてみて、時間通りに出来なかったパートがあれば、その理由と改善策を考えましょう。

STEP
今後の勉強に活かす

「制限時間内に全て解き終わらなかった」「時間内に解き終わったが、正答率が低かった」など反省点が出ると思うので、それがあなたの今後の課題です。
「なぜ解き終わることができなかったのか?」を細分化させて、そこを重点的に勉強しましょう。

STEP
制限時間の20%減で解いてみる(実戦形式)

しっかり改善できれば、受験前にしっかりと対策しましょう。
その際、制限時間の20%ぐらい少ない時間であえて設定すると、本番に余裕が出て解きやすくなるのでオススメです。

苦手科目の克服

二次試験では、特定の科目が苦手でも全体の合計点でカバーすることができるため、得意科目を伸ばしつつ、苦手科目を克服することが大切です。
特に苦手な科目は、基本的な問題を重点的に復習し、確実に点が取れる部分を増やすことを目指しましょう。

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まとめ:国公立大学の二次試験対策

国公立大学の二次試験対策は、「科目数や難易度」など共通テストと大きく違うので、別の対策が必要です。

対策を始めるためには、まずは志望校の傾向を知ることから始まるので、自分の行きたい志望校の入試情報をネットで調べてみたり、過去問で最新年の問題を分析してみましょう。

今回お伝えした対策が行えれば、かなり合格に近づけると思うので、早めから対策しましょう。

国公立の対策に不安な方へ

国公立は科目数が多かったりと、すごく対策が難しいです。
1人で準備できるに越したことはないですが、1人では何かと不安なことが多いかと思います。

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