
はじめに:なぜ今「情報I」対策が急務なのか
2025年度(令和7年度)の大学入学共通テストから 「情報I」が必修化・100点満点で新設 され、900点満点だった総得点は1000点へ引き上げられました。
国公立大のほぼ全学部、私立大でも難関校を中心に「受験必須」もしくは「選択可」とする大学が急増しており、情報Iの出来が合否を左右する 状況です。
ところが高校での履修はまだ十分に整備されておらず、試験実績も今年 1 月に初めて公開されたばかり──「どう勉強したらいいのか分からない」という声が受験生から相次いでいます。
そこで本記事では、
- 最新の出題形式・配点
- 高3・4月から本番までの勉強スケジュール
- おすすめ参考書・問題集ランキング
- 擬似言語プログラミング攻略の勘所
共通テスト「情報I」の基本情報
項目 | 内容 |
---|---|
試験日 | 2025年1月19日(日)第2日・5限 |
試験時間 | 60分 |
配点 | 100点 |
大問数 | 4(全問必答) |
マーク数 | 51 |
60分で 51 マークを解く密度の高いテストです。問題冊子には長い設定文や図表が多く、読解スピードと情報整理力 が鍵になります。
出題範囲と本試験の傾向分析
大問 | 主題分野 | 配点 | 試験で問われた力 |
---|---|---|---|
第1問 | 情報デザイン/ネットワーク | 20点 | 図表読み取り・用語理解 |
第2問 | データの活用 | 30点 | 統計的思考・SQL 的集合演算 |
第3問 | プログラミング | 25点 | 擬似言語での処理手順把握 |
第4問 | プログラミング+情報モラル | 25点 | アルゴリズム改良・社会背景 |
ポイント
- 暗記問題はほぼ皆無。読解・判断・設計の総合力勝負。
- プログラミングは“日本語擬似言語”。Python 文法そのものは不要。
- データ分析(統計・SQL 的操作)が最多 30 点。数学ⅠA と連携すると効率的。
大問別詳細攻略
- 第1問 ─
情報デザイン・ネットワーク(配点20点・平均正答率 約65%) -
初学者でも得点源にしやすい小問集合ですが、「ただの用語暗記」では得点が伸びません。
たとえば、- 問1:デジタル署名の目的(正答率53.8%)は「改ざん検知」「なりすまし防止」をセットで述べる必要があり、キーワードが欠けると×。
- 問2:7セグメントLEDで表示できる文字数の組合せ(41.8%)は“全探索→重複削除”の思考が求められ、計算力と情報整理力が試されました。
- 問4:UIデザイン(マウスカーソル移動)(47.9%)では「フィッツの法則」を知らなくても、図中の距離・面積を読み取り“操作時間∝距離/幅”を導ければ正解。
- 第2問 ─
データの活用(配点30点・平均正答率 約77%) -
情報Iで最も易しい大問と言われますが、計算量は多め。
- 問A-エ:ヒストグラムの度数読み取りは 正答率98.1% と超サービス問題。ここで時間を短縮し、後半に回すのが鉄則。
- 問B-オカ:SQL 的グループ集計(55.2%)ではGROUP BYとHAVINGのイメージがない受験生が大量失点。実データベースで操作経験をもつだけで差が付く分野です。
- 問B-サシ:代表値比較(中央値 vs 平均値)(82.7%)は、箱ひげ図から外れ値を読み取り「中央値は変化しない」ことを文章で説明できるかどうかがカギ。
- 第3問 ─
擬似言語プログラミング(配点25点・平均正答率 約65%) -
平均点は並みでも正答率が両極端になる“二極化大問”。
- 前半(ア〜カ)は「for 反復」「if 分岐」中心で 正答率90%超。ここで取りこぼすと致命傷。
- ク:2次元配列の斜め走査(21.9%)は最難問。Python で for i in range(n): total += A[i][n-1-i] を書いた経験があるかどうかで勝敗が決まりました。
- サシ:アルゴリズム改良(バブルソート→挿入ソート)(約40%)は処理回数を“配列長×平均交換回数”で比較する思考力が必要。
- 第4問 ─
プログラミング+情報モラル(配点25点・平均正答率 約69%) -
読解量が最も多い大問。「社会的背景→アルゴリズム→改善策」と段階を追って答案を作る構成力が問われます。
- ア・イ:チャットログの不正検出ルール選択(28.8%)は低正答率。キーワードを丸暗記せず、“ブラックリスト方式 vs ホワイトリスト方式”の違いを理解しているかがポイント。
- ウエ:データベース正規化(完答82.3%/部分点90.0%)は、関係スキーマ図を素早く描けると秒で解けるご褒美問題。
- キ:個人情報保護法の適用範囲(22.0%)では、「要配慮個人情報は本人同意が原則」を根拠条文レベルで覚えているかどうかで明暗が分かれました。
高3・4月から本番までの勉強スケジュール(週次版)
4〜6月:基礎を徹底的に固める時期
期間 | Week | 目標 | 主なタスク例 |
---|---|---|---|
4 月 | W1 | 用語50語暗記 | Anki に用語カード作成(15分×5日) |
W2 | 教科書精読 | 教科書 P.1–60 を 2 周+マインドマップ作成 | |
W3 | 基礎確認テスト80% | 河合塾「ゼミ」冊子を 30 分テスト | |
W4 | 試作問題 1 回目 | 60 分×1 セット→解説読み込み | |
5 月 | W1 | 弱点ノート整理 | “知らない語句” を再暗記 |
W2 | 擬似言語テンプレ暗記① | for/if/配列 の雛形を書き写し | |
W3 | SQL 入門 | SELECT・WHERE・GROUP BY を Python で実装 | |
W4 | 試作問題 2 回目 | 80 点突破を目標に再テスト | |
6 月 | W1 | 模試準備 | Z 会模試の過去問(時間短縮60→50分) |
W2 | 模試受験 | 全国模試で立ち位置確認 | |
W3 | 復習 & タグ付け | 間違いを「原因タグ」で分類 | |
W4 | 目標再設定 | 7 月以降のガントチャート見直し |
7〜8月:弱点ピンポイント克服期(夏休み)
期間 | Week | 目標 | 具体タスク | チェックポイント |
---|---|---|---|---|
7月 | W1 | 第1問 完答 | ●ネットワーク語句100語テスト(90%以上) ●UX法則クイズ20問 | 暗記シートに★印 |
W2 | 第2問 28/30点 | ●ヒストグラム演習10題 ●ExcelでGROUP BY演習3本 | スプレッドシートを講師に共有 | |
W3 | プログラム基礎固め | ●Python基礎Docを1章ずつ読み写し ●for/if で10行スクリプト×5本 | GitHubに日次Push | |
W4 | 模試(駿台全国) | ●60分リハーサル→70点突破 | 模試復習ノート初版完成 | |
8月 | W1 | 弱点ノート整理 | ●模試誤答タグ付け→原因別集計 | “時間不足”タグを20%以下へ |
W2 | 擬似言語テンプレ暗記① | ●2次元配列→変数表5枚作成 | 変数の初期値・添字を朱ペン | |
W3 | SQL 入門 | ●順次/分岐/反復を秒で黒板書き | 30秒以内に完了◎ | |
W4 | 試作問題 2 回目 | ●55分制限→75点目標 | 誤答分析を3日以内に |
9〜10月:得点伸長期(秋模試ラッシュ)
期間 | Week | 目標 | 具体タスク | チェックポイント |
---|---|---|---|---|
9月 | W1 | データ分析総仕上げ | ●全国統計データベースで演習3本 | SQLで平均+四分位範囲計算 |
W2 | UI設計の場面把握 | ●スマホアプリ3種のUI分析メモ | “距離と幅”→操作時間で考察 | |
W3 | プログラム改良力UP | ●バブル→挿入ソート書換5本 | 回数比較を言語化できる | |
W4 | 模試(ベネッセ駿台) | ●80点超 | 誤答原因“読み違い”を10%以下 | |
10月 | W1 | 法規暗記強化 | ●個人情報保護法条文カード30枚 | 条番号で口頭暗唱 |
W2 | 第4問演習10題 | ●社会的背景→技術対策を文章化 | 200字説明×5本 | |
W3 | 擬似言語時短 | ●問題60分→45分目標で解く | 見直し時間15分確保 | |
W4 | 河合全統プレ受験 | ●85点達成 | 模試PDCAを週内完了 |
11〜12月:満点パーツの仕上げ期+直前総点検
期間 | Week | 目標 | 具体タスク | チェックポイント |
---|---|---|---|---|
11月 | W1 | 復習ノート最終版 | ●誤答タグ別に“再×”ゼロへ | Excel条件付き書式で色分け |
W2 | 予想問題①②実施 | ●赤本プラス×2→平均90点 | 正答率表を更新 | |
W3 | 擬似言語一本勝負 | ●難問10題を1日1題 | 変数表→10分以内 | |
W4 | 追試過去問60分×2 | ●95点狙い | マークミス0確認 | |
12月 | W1 | 予想問題③④実施 | ●平均95点 | 時間配分の再点検 |
W2 | 模試誤答ゼロ化 | ●タグ“ケアレス”→0件に | チェックリスト完成 | |
W3 | 重要語句再盤面化 | ●用語100語穴埋め→3周 | 98%到達 | |
W4 | 総仕上げシミュレーション | ●本試+追試+予想①を連続3セット | 3連続90点台 |
おすすめ参考書・問題集 TOP5【詳細レビュー】
ランク | 書名 | 良い点 | 注意点 | 使い方例 |
---|---|---|---|---|
1位 | 『2025 共通テスト総合問題集 情報I』河合出版 | 本試+追試+予想×6回。設問別正答率付きで分析◎ | 解説が硬め。語句説明は薄い | 4・8・11 月と 3 周回しでスコア推移を記録 |
2位 | 『共通テスト過去問研究 情報I』教学社(赤本プラス) | “黒本”の詳説&難問演習で 90→満点狙い | 章末コラムが多く初学者は負荷高 | 80 点到達後、制限時間 55 分設定で解く |
3位 | 『ゼロから始める情報I』KADOKAWA | 図解多めで授業未履修者◎ | 章末確認テストがない | 4 月~5 月の基礎固めに 1 周+付箋で再読 |
4位 | 『情報I 鉄板の100題』KADOKAWA | 1 題 5 分で演習→“意味付きさくいん”で語句復習 | 本試験形式ではない | 夏休み~10 月、スキマ時間用に 1 日 3 題 |
5位 | 『情報I プログラミング問題対策 練習帳』旺文社 | 擬似言語だけ集中演習。段階別ヒントで自走学習 | ネットワーク分野は扱わない | プログラミングが苦手な文系は 6~8 月に重点 |
- 06:30–07:00 「ネットワーク暗記カード」20枚 → 朝いちのワーキングメモリが最も鋭い時間帯。
- 17:00–18:00(放課後) 擬似言語 60分演習 → 本番同時刻・同時間で集中力を条件付け。
- 22:00–22:20 誤答ノート更新 → その日の失点を “分類→原因→対策→再演習日” の4列で即時入力。
- 22:20–22:30 明日のTODOを3行メモ → 就寝前に可視化することで翌朝の着手スピードが2倍。
擬似言語プログラミング攻略ポイント & テンプレ
三大構文テンプレート(暗記推奨)
# 順次処理処理1
処理2
処理3
# 分岐(多分岐)
もし 条件A なら
処理A
それ以外で 条件B なら
処理B
それ以外
処理C
もしここまで
# 反復(カウンタ型)
i を 0 から n-1 まで 1 ずつ増やしながら繰り返す
配列[i] を合計に加える
繰り返しここまで
- 動かして確認:Python に直訳→print() で変数追跡。
- 変数表を書く:手元に「変数名 / 変化 / 目的」3 列表を即作成。
- エラー選択肢の特徴:「添字 n から開始」「条件式が < でなく ≤」など、典型パターンを赤でマーキング。
よくあるQ&A
質問 | 回答 |
---|---|
文系でも対策必須? | 国公立は文理共通必須。私立でも上智・明治・立命館などが配点化。 |
満点狙いの勉強量は? | 6 月までに基礎→夏休みに演習→秋模試で 80 点到達すれば十分。 |
満点狙いの勉強量は? | 週 6 時間 × 20 週=120 時間が目安。最後は“苦手分野ゼロ”を確認。 |
定着テストの作り方は? | Excel で「語句」「定義」「例」「使う場面」列を作り、クイズ形式に。 |
旧課程“情報関係基礎”で受けると? | 得点調整の対象になる可能性が高く、情報I 受験が安全。 |
アプリで効率良く暗記する方法は? | Anki を使い「用語」「定義」「例」「出る場面」4 面カードに。翌日・3 日後・1 週間の 3 回復習が定着率 90%。 |
スマホ依存で勉強が手につかない | アプリブロッカー+30-30-10 ルール(勉強30→休憩30→ごほうび10 分)でメリハリを。LINE は PC 版を使用し通知を 1 日 4 回に限定。 |
共通テスト後は私大個別対策と併用できる? | 情報I は 1 月第 2 日程。国公立二次・私大一般との範囲重複は少ないため、**1 月末に“情報I 完全封印”**し他教科へシフトで OK。 |
模試を最大活用する方法(7〜12月)
模試スケジュールと目標スコア
月 | 模試名 | 目標 | フォーカス分野 |
---|---|---|---|
7月 | 駿台全国模試 | 70点 | データ分析 |
8月 | 河合全統記述 | 75点 | プログラミング |
10月 | 駿台・ベネッセ記述 | 80点 | 情報モラル |
11月 | 河合全統プレ | 85点 | 総合力 |
誤答分析テンプレ
- 設問分類 … 【読解】【語句】【計算】【アルゴリズム】
- 原因タグ … 【未暗記】【読み違い】【時間不足】【ケアレス】
- 対策メモ … 例:「SQL の HAVING 演算を 1 週間で要暗記」
まとめ:情報1の対策ロードマップ
「情報I」は “場面設定 × 図表読解 × 擬似言語” の複合スキル型。早期対策で“最後の100点”を確実に取りに行きましょう。
情報I対策は「週次計画」「頻出語句暗記」「擬似言語演習」の 3 本柱。これらを “模試→誤答分析→修正” の PDCA で回せば 80 点ラインは現実的です。あとは 当日 60 分の戦略 を体得して“最後の 20 点”を取り切りましょう。
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